企業・大学

「職場での聴覚障害者の合理的配慮を考える」実施報告②

10月26日(土)オンラインで「職場での聴覚障害者の合理的配慮を考える」を開催し、
50名の方に参加いただきました。

参加者統計

参加者の感想

ミニ講演について、分かりやすい説明でした。合理的配慮は義務化されているがルールがなく、だからこそ話し合いが必要だと思いました
京セラ株式会社の実践報告について、幅広くダイバーシティ相談室を設けていることに感銘を受けました。言っても大丈夫なのだという安心感があり、「知ることが全てのスタートだ」というお話が印象に残りました
座談会で皆さんのお話を聞き、自分自身はどう相手に説明すれば、自身の様子が相手に伝わるのか。改めて自身を知ることに目を向けてみたいと思いました。

登壇者からのフィードバック

今回、下記感想についてピックアップし、フィードバックいただきました。
また、話の補足や当事者・企業に求めることについてもお話をお伺いしました。

みんなの幸せを願い、他人に対して思いやりのある障害者に育てる教育がないところでは社会は変わりません。自分の権利を主張し、他人の権利を侵害するようなあり方には賛同できません。合理的配慮は権利として認めますが、相手にもそれを断る権利があります。障害者は相手の立場にも立っているのか?一体、何があればみんなが幸せになれるか?それを考える教育の必要性を感じています。

内川氏
 みんなの幸せを願い、他人に対して思いやりのあることは万人にとっても大切かと思います。「合理的配慮」は他人の権利を侵害することではありません。
まず、同じスタートラインに立ち、障害のない人もある人も参加できる権利を行使する環境を整えていくことです。その環境を整えるためには何が必要か、という教育ならぜひとも展開していただきたいものです。

森氏
 数名の方からコメントのあった、中途失聴者、難聴者に対するサポートについては、まだこれからだと感じました。ご指摘の通り、中途失聴・難聴の方が抱える悩みについての理解、当事者へのヒアリングも足りていないと思いますし、その他、今の京セラの体制は決して完璧ではなく、皆様からのフィードバックや対談でお聞きした内容は非常に参考になりました。今後も企業側ができることについて、考え続けていくことが、社員の働きがいに繋がっていくと思いますので、努力を怠らず取り組みを続けてまいります。
当事者または企業に求めることとして、聴覚障害者に限らず、障がい者全般、外国人、女性の管理職などその職場で初めて雇用する場合、最初の一人の時が一番難しさを感じると思います。できれば近くにもう一人いれば、職場の理解や受け入れ態勢は進んでいき、当事者の働きやすさもアップすると考えます。

荒谷氏
 道徳の授業でこのよう事が話し合えるようになるのが理想だと思いますが、教育カリキュラムを変えるとなるとハードルが高すぎてなかなか実現できないと考えます。今回のようにやれることを地道にWeb発信でもよいので少しずつ世間への認知度を上げていき、あえて教育する必要がなくてもお互いに思いやることができる社会、そんな社会になるのを祈って行動していきたいと思っています。
当事者または企業に求めることとして、多くの事例を知ることによって、自分に当てはめるヒントになるはずですので、多くの当事者に声をあげていただきたいです。
会社規模、業種、職場等の環境が各々違いますので、合理的配慮にはこれだ!といった答えは出ないものと考えます。今回はあくまでも私の職場事例ということで捉えていただきたいと思います。

西岡氏
 まとめで話した、あるべき姿に至るまでには、4つの階段を駆け上がる必要があります。第1段階として、障害受容、障害認識。自分を知り、相手に伝えて理解してもらうことです。第2段落はセフルアドボカシー、自己権利擁護の発信。自らの権利は自分で守るということで、強くなろうということです。第3段階は、対話です。学びあい、お互いに知る、そういったところで建設的対話をしながら、Win、Winの関係を構築する。第4段落、自己実現そして社会貢献をする中で共生社会を作っていくことができれば、一番よいのかなと考えています。まずは、第1段階の、自分を知り、それを相手に伝えていくことが、なかなか一歩踏み出せない人が多いなかで、今日の学びをきっかけに、当事者および社会や事業者側への働きかけも含めて取り組んでいく必要があるのかと考えています。

ご参加いただいた皆様、登壇いただいた皆様、ありがとうございました。

 

京都府聴覚言語障害センターでは合理的環境調整について相談を承っています

・社内研修動画への字幕・手話挿入
・社内研修
(聴覚障害者研修・手話研修・音声認識ソフト導入研修・修正研修など)
・雇用された聴覚障害者の手話通訳・文字情報保障派遣など企業の環境整備

電話リレーサービス法人登録のご相談も賜ります。
京都府聴覚言語障害センターまでご相談ください

問い合わせ先:京都府聴覚言語障害センター
〒610-0121城陽市寺田林ノ口11番64
(電話番号)0774-30-9000 (FAX番号)0774-55-7708

 


本サイトの掲載内容(画像、文章等)の全てについて、無断で複製、転載、転用、改変等の二次利用を固く禁じます。