最新リポート

京都府警察自動車運転免許試験場にある補聴援助システム『ロジャー』を活用しよう

こんにちは。京都市聴覚言語障害センターです。

補聴器や人工内耳をしていても、「話し手と聞き手の距離が遠い」「周囲に雑音や反響音がある」「複数人との会話」などの場面では聞き取りが難しくなる経験をされた方も多いと思います。

このような聞き取りにくい環境下でより良い聞こえをサポートするのが補聴援助システム「ロジャー」です。

ロジャーとは

ロジャーは送信機と受信機からなる補聴援助システムです。話し手の声を送信機(ワイヤレスマイク)が集音し、デジタル無線方式で受信機まで送信するので、周囲の影響を受けにくくクリアな聞こえが可能になります。

送信機のタイプは、使用環境に応じて首かけ型卓上型ペン型があります。受信機は、直接補聴器や人工内耳に接続できるタイプTコイル内蔵型の補聴器や人工内耳に対応したタイプがあります。

Tコイルとは?

補聴器や人工内耳の中には、Tコイル(磁気誘導コイル)が内蔵されているものがあります。Tコイルがあれば、ヒアリング(磁気誘導)ループのある環境下で、話し手の音声を受信して補聴器や人工内耳で聞くことができます。話し手との距離が離れている場面や、周囲が騒がしい場面などでとても有効です。

ロジャーがあれば、ヒアリングループの設備がない場所でも、Tコイルを介して話し手の音声を聞くことができます。手軽に持ち運びできるので、屋外など様々な場面で使えて便利ですね!

免許取得や更新のために多くの方が利用する「京都府警察自動車運転免許試験場」にもロジャーが設置されたのでお話を伺いに行ってきました。

京都府警察自動車運転免許試験場とロジャー

今回取材させて頂いたのは、京都市伏見区にある京都府警察自動車運転免許試験場です。

講習係担当の方にお話をお伺いしました。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。

ロジャーを設置した経緯を教えてください

府民向けの意見箱を施設内に設置しているのですが、平成28年に補聴器装用者から「更新時講習の時、講師の声が聞き取りにくくて困った。更新時講習で流すDVDに字幕はあるが、講師の声も聞き取りやすくして欲しい」という要望がありました。更新時講習は法定講習として義務付けられているものなので、難聴者の方にも聞き取りやすくできるよう協議し、平成29年5月29日からロジャーの運用を開始しました。運転免許試験場に1台、京都駅前運転免許更新センターに1台あります。

どのような場所で使用していますか?

更新時講習で使っています。更新時講習は広い会場で、大勢の受講者に対して行う講習であり、マイクを使用してはいますが、補聴器装用者にとっては聞き取りにくいことがあると伺ったからです。

更新時講習の講師は、ペン型送信機を胸元につけます。

受講者は、首から受信機をかけ、補聴器または人工内耳をTモードに切り替えて使用します。

これまで利用された方はどれくらいですか?

これまで、京都府警察自動車運転免許試験場では5回、京都駅前運転免許更新センターでは2回利用されています。利用された方は若い方から高齢の方まで様々です。ロジャーの広報については、京都府警察ホームページに情報を掲載したり、受付窓口(下図の印)に案内を掲示しています。

利用者の感想はいかがですか?

役に立った」「補聴器だけの時より倍ほどよく聞こえた」「難聴の方により多く知ってもらい、どんどん使ってほしい」「次回もまた利用したい」などの声がありました。
一人でも多くの方に利用していただけるといいですね。

利用方法を教えてください

運転免許試験場、京都駅前運転免許更新センターともに、更新受付の窓口に申請書を用意しています。

下図は実際の申請用紙です。

難聴者に対する今後の課題や展望を教えてください

講習で使用するDVD映像には字幕が表示されており、種類によっては手話が表示されるものもあります。今後も色々な面で配慮していくことが大切だと思っています。ロジャーをできるだけ多くの方が利用できるよう追加設置を検討しているところです。

アクセス

<問い合わせ先>

京都市伏見区羽束師古川町647

京都府警察本部運転免許試験課

TEL:075-631-5181 FAX:075-632-2694

さいごに

聞こえを補う機器としてとても効果的なロジャーですが、教育現場では少しずつ浸透しているものの、公共機関ではまだまだ設置されている場所は少数です。より多くの場所に設置され、手軽に利用できる仕組みが広がっていけばいいですね。