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難聴者と手話|聞こえにくくなってから手話を覚えて広がった世界

72歳の坂元さんは、61歳から手話を学び始めました。今では、手話での会話はもちろん、京都手話フェスティバルや手話劇コンクールに参加された経験もあります。今も手話サークルに通いながら、楽しく手話を学び続けている坂元さんに、手話について伺ってみました。

手話を学び始めたきっかけは?

59才の時、聴力低下が気がかりで聴言センターで初めて聴力検査を受けた。その時、検査担当の言語聴覚士の方から「難聴者コミュニケーション教室」なるものを紹介された。61才の時、初参加。その教室の講座内容の1つに手話講座があった。

全く初めての経験で、物の形からの手話表現、指文字など面食らった。学習についていけるのかメチャクチャ不安だった。講座で知り合った友達とお互いに励ましあって、休まず終えられた。

指導の時、講師の女性から「手話のことを難しいと思わないでね。1日に1つ覚えると、一年間で365の手話を覚えられるでしょう!!」と説明があった。この言葉がずっと励みになって今日に至っている。市民しんぶんに行政区の手話教室が開かれると載っていたので、それにも2~3回ぐらい毎年参加した。

手話を身につけるために、どんな学習をされたのですか?学んでいる時のエピソードも教えてください。

手話を身につける方法は人さまざま。辞書を引いての学習、これは家でするのが良いと思う(予習・復習)。手話を学んでいる時は、手話表現の上手な、指先までしっかり表現する人の手話を真似て身につけた。指導者の手話表現は、ともかく見ていることが大事。辞書に首っ引きの人がいて、いつも下を見ている人もいるが…。

指導方法と言うと、褒めて育てる、貶(けな)して育てる方法があると思う。学んでいる人の性格を見抜くことも大事。私は貶(けな)されてもどうもない。次の発奮材料になる。褒められて嬉しかったのは、習い始めて少したった頃、覚えた手話で文章問題の単語に挑戦した時。講師の男性から「上手になった」と何回か声かけしていただいた。ものすごく嬉しかった。

手話で会話ができるようになった今、どんなことを感じますか?

 まだまだ完全とはいかないけれど、ろうの人達とバッタリ出会っても何とはなく会話できる。難しい手話を覚える必要はないと思う。日常生活に必要な手話を身につける。でも、話す相手によって、どんな内容の話題が飛び出してくるのか分からないから、そこそこの手話単語や表情を身につけることも大切ね。

聴言センターへ通い出した頃から、作業所の人達の温かい眼差しが私を応援してくれているし、手話でお喋りをすると、教材にはないものを得ることができる。お互いに喋っている時に、大笑いすることもある。

坂元さんにとっての「手話の魅力」とは?

これは文章、言葉では言い表せない。その人が身を持って感じるもの。体験しないとわからない。サークルにおいても、年代もいろいろ。聴力もいろいろ。仲良く学習に励んでいる。手話を学ぶのに年齢は関係なし、おまけに学期毎の通知表もない。あなたの熱意が続く限り、手話が身についてくる。

手話の表現を豊かにしたくて、俳優さんや女優さんの演技を参考に、ドラマの主人公になりきってみたりもする。「手話表現が大きいから分かりやすい」と言ってもらったことがある。自分自身で手話を長く続けられる「コツ」を見つけるのもポイント。

手話を学んでいる聞こえにくい人、これから手話を学ぶ聞こえにくい人へメッセージをお願いします。

とにかく諦めず、細く長く続ける。石の上にも三年ということわざがあるが、手話の上にも?年かかるのか分からない。でも努力を続ければ、少しずつ自分のものになる。指文字を覚えたての頃、よそのお家の表札を見て練習した。私はサークルで手話での受け答えをする時、今でも間違った手話を使うことがある。すぐに「そうでないよ」と教えてもらえる。間違うことを恥ずかしいと思わないように。手話を通じてコミュニケーションをとろうとする時は、正しい指使い、体全体を使う、表情も大事。自分の体の前で大きく手話を表す。声も大事。手話を使う時は声を出す。口を閉じていては駄目。

手話を覚えるための5箇条

さいごに、坂元さんに手話を楽しく学ぶための秘策を教えてもらいました。

坂元さん流「手話を楽しく覚えるための5箇条」

1、最初が肝心。自己流の指使いの手話を身につけない。きちんと指先、手を使って、しっかり相手に伝えることが大事。あやふやな指先では何が言いたいのか、全く伝わらない。

2、根気よく続ける。手話使いを間違っても、恥ずかしいと思わない。

3、表情も大事。にこにこ顔で、泣く・怒るを表しても不自然。

4、人の手話を真似て、自分のものにする。

5、頷いて座っているだけでは、いつまでたっても手話は自分のものにならない。必ずその場で手・指を動かすことが大切。

「手話を学んでみようかな」という方は、お気軽に下記の手話講座にご参加くださいね。

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