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【振り返り】きこえにくい方のためのコミュニケーショ教室

コミュニケーション教室について

京都市聴覚言語障害センターでは、毎年「きこえにくい方のためのコミュニケーション教室(京都市委託難聴者自立訓練事業)」を行っています。今年度は全3回実施しました。9月5日に行われた午後の講演と参加者の感想をご紹介します。

補聴器の形と価格

みなさん、こんにちは。私は京都の認定補聴器専門店で働く、認定補聴器技能者です。本日は補聴器を選ぶとき、参考にしていただける内容をご紹介します。

補聴器は耳かけ型、耳あな型、箱(ポケット)型の3種類があります。補聴器の形や色、使いたい場面、予算に合った補聴器を選び、実際の着け心地を確認してもらいます。

 耳かけ型 片耳50,000円 
一番使用されている形で、音を出すスピーカー部分(レシーバー)は補聴器の内部にあります。近年、そのレシーバーが耳栓と一体化し、耳の穴に入れる形状のものがあります。RIC(レシーバー・イン・カナル)型といい、通常の耳かけ型よりも小さくて目立ちにくいです。音の出力も問題なく、着け心地も軽いので世界的にも人気があります。

 耳あな型 片耳98,000円 
耳の穴に隠れるぐらいの小さな形から、耳全体を覆うフルサイズのものがあります。耳穴の型を採って、オーダーメイドにできますが、音楽用のワイヤレスイヤフォンのような形状の既製イヤフォン型もあります。

 箱(ポケット型) 32,000円
コードが付いていますが、スイッチやボタンが見やすいところが便利です。年々使用する人が少なくなっており、年間1台しか販売しないときもあります。

補聴器の購入に利用できる制度

いずれも補聴器の代金を支払う前に、必要書類の作成が必要になります。忘れずにご確認ください。

①身体障害者手帳(聴覚)

耳鼻咽喉科で聴力検査をし、指定医師が身体障害者手帳の該当の有無や等級を判断します。該当すると、原則、福祉対応型の補聴器(片耳分)が給付されます。所得に応じて、1割の自己負担が発生する場合もあります。

②医療費控除

耳鼻咽喉科で聴力検査をし、補聴器相談医が「補聴器が必要」と判断した場合、所定の診療情報提供書を作成します。それを認定補聴器技能者や認定補聴器専門店に持参して、補聴器を購入したのち、確定申告の手続きをします。世帯の状況に応じて、控除額が決定されます。

「認定補聴器技能者」とは、公益財団法人テクノエイド協会が、補聴器の調整や販売に関する知識や技能を持つことを、認定して付与する資格です。「認定補聴器専門店」とは、「認定補聴器技能者」が在籍し、補聴器の調整や選定に必要な種々の測定機器や設備が審査基準を満たしているお店に与えられる資格です。いずれも公益財団法人テクノエイド協会のホームページに一覧が掲載されています。

③自治体の購入補助制度(成人)

市町村によって、対象者や補助額、必要な書類が異なります。お住まいの福祉課でご確認ください。京都府内で購入補助制度が実施されているのは、①京田辺市、②京丹後市、③精華町のみです(2024年11月1日時点)

補聴器の便利な機能

近年の補聴器の機能は、様々なものがあります。機能が増えるほど、補聴器の価格は高くなります。自分が必要な機能を知り、予算内の補聴器を選びましょう。

①テレコイル(Tモード)

ヒアリングループと専用のマイクで、補聴機器に音声を直接接続して聞けます。補聴機器を接続できる状態にしておく必要があります。

②ロジャーシステム

フォナック社のワイヤレス補聴補助システムで、補聴機器に音声を直接送信して聞けます。小型で音質が良いので、学生や社会人の方を中心に広く普及しています。

③ブルートゥース(Bluetooth)

スマホの通話音声や動画・音楽の音声を、補聴機器に音声を無線で接続して聞けます。専用リモコンがなくても、スマホで補聴器の音量、プログラムが変更できるものもあります。

ブルートゥース(Bluetooth)機器は、使用する機器を変更すると、その度に再接続が必要ですが、フォナック社の補聴器をお使いの場合は、複数の機器がスムーズにきりかえられます。

参加者のみなさんから…

お店の人に気になることが質問できて良かった。
補聴器がどんどん進化していることが分かった
補聴器やロジャーを試してみたい。

おまけ

新しい次世代の補聴システムについて、ご紹介します。「オーラキャスト」という、ブルートゥース(Bluetooth)技術を最大限に活かして、対応した送信機器と複数の受信機器(ヘッドフォン、スピーカー、イヤフォン、補聴器)に音声情報を放送できるシステムが開発されています。全ての人の生活を便利にすることができます。今後、世界中に普及されていくようです。

例えば、こんなことができるようになります。

①空港の音声アナウンスで、自分の搭乗口に関連する情報だけを自分のヘッドフォンや補聴器で聞く

②大型の会場での講演を自分のヘッドフォンや補聴器で聞く


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