地域・社会資源

【報告】聞こえとコミュニケーションの教室 北部

聞こえとコミュニケーションの教室 北部

2024年9月8日(日) 綾部ものづくり交流館にて
聞こえとコミュニケーションの教室を開催しました!
24名の方にご参加いただきました。

北部会場ではー般社団法人京都府言語聴覚士会の鶴田美律氏に講師としてご登壇いただき、「補聴器の上手な選び方」をテーマに講演とグループワークをおこないました。

参加者からのご意見

初めての話しで目から鱗でした。
今後補聴器が必要になった時、自分がどう行動していったらよいか、器具の種類などを教えてもらい良かった。
グループでの話し合いはよかったが、全体的にもう少し時間があればと思った。

頂いたご意見は今後の参考にさせていただきます。ご参加いただいた皆様ありがとうございます。

講師フィードバック

鶴田氏よりフィードバックを頂きましたので、ご覧ください。

 今年、耳鼻咽喉科の医師会日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会より「難聴啓発プロジェクト」がスタートしました。加齢性難聴を対象にした「8030運動80歳で30dBのきこえ補聴込みのキープ」を中心に、若者に多いヘッドフォン難聴・イヤホン難聴の予防、聞こえにくさを感じたらまず耳鼻科を受診するようにといった啓発運動です。それと同時に、難聴や補聴器の相談にのれる医師の育成が急ピッチで進められています。
医療機関における「聴覚リハビリ」は先天性難聴の乳幼児や、人工内耳の術後に実施されることが多いですが、中途失聴者、加齢性難聴者に不要というわけではありません。日常生活での会話がリハビリであることは間違いないのですが、言語聴覚士が適切な会話の機会を設定し「聴覚リハビリ」を実践する機関も、少しずつですが増えてきています。
現段階ではまだ不十分な環境ですが、今がまさに変化の過程だと言えます。

 聴覚障害を題材にしたドラマやアニメの普及、難聴が認知症のリスク要因であることが広く啓蒙される中で、「聴覚障害児・者への手立てが必要である」という社会の意識は浸透しつつあります。補聴器の普及や新しい性能の開発、音声文字認識の精度の向上などのハード面はこの10年で飛躍的に変化を遂げています。
一方で、一番肝心な「人の対応(力)」は10年前とさほど変わりないのではないでしょうか。 外国人が困って助けを求めると、多くの日本人が言葉は通じなくてもコミュニケーションをとろうとあの手この手を使って一生懸命になりますよね。少しゆっくり話しかける、聞き返されたら言い回しを変えてみる、身振り手振りを大きく使う、嫌な顔をせず表情豊かに応答するなど、難聴の人にとっても非常に有効で必要な対応です。確かに時間は少しかかるかもしれませんが、ほんの少し手間をかけるだけで聞き取りや理解はアップします。
難聴は誰にでも起こりうる比較的身近な症状です。周囲の理解や具体的な対応方法が、より社会に浸透していくよう、みんなで声を上げていきましょう。

2024年11月13日
言語聴覚士 鶴田美律

 

 


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